Wicked Life 1


エックスはダークエルフを自分の内部に吸収・封印した。だが次第に侵食が始まり、エックスですら正気を保つのがいっぱいであった。
エックスは自らのボディを封印の為の器として差出し、ユグドラシルで眠りにつく。

突然の事に混乱するネオ・アルカディア幹部達。
国民に知れてはまずいとある一つの打開案を出す。

【エックス様を復活させるまでの間、コピーを造り 身代わりに仕立てる事】

制作には人間の少女がリーダーとして起用され、数年後
コピーエックスが誕生した。

ボクが生まれた時―


キイロいかみのニンゲンと
ミドリいろのレプリロイドがいて

「エックス様のお目覚めだ。起動テストを開始しろ」

"エックス"? ボクのコトなのか?

ハルピュイアとなのったソイツは ボクをみてにっこりとわらうんだ

でも

ニンゲンはどこかさびしげなかおでボクをみるんだ
まるで かわいそうなもの をみるように…



コピーエックス制作の指揮を執っていたハルピュイア。
現在は彼がネオ・アルカディアの事実上の統治者となっている。
エックスは特殊なレプリロイドである為にメンテナンス方法が異なり、長期療養に入ったと国民には伝えてある。


起動テストを終了するとハルピュイアはコピーエックスを連れ出す。
昔、自分がそうしてもらったように…

データルームに連れて来ると、ハルピュイアはあるホログラム映像を映して見せた。

「あ…ボクにそっくりだ」

興味津々にそれを見つめるコピーエックスに対して、ハルピュイアは説明を始める。


「この方がオリジナルですから」

「オリジナル…?」

「あなたはエックス様の代わりとして生まれた 言わばコピーなのです。これからあなたにはエックス様になりきってネオ・アルカディアを統治していただきます」

「ボク… コピー…? オリジナルの代わり…?」

突然そんな事を言われても理解できるはずもなく呆然としていると、ハルピュイアがこちらに向き直る。

「何も心配する事はありません。俺達がサポートしますから。後は…」


「あなた次第…ミスは許されない」

コピーエックスの顔に触れるハルピュイア。
そのまま首に手を滑らすと、そっと掴んだ。
敏感な箇所を不意に触られぴくりと反応すると、今まで笑顔だったハルピュイアの顔つきが変わる。

「お姿は同じでも 反応の仕方が違うのですね」

「えっ 何?」


やはり 全く同じとは いかないのか


「言い忘れましたが、あなたに拒否権はありません」

途端、首を締め出すハルピュイア。
ギリギリとその力を強くしていく。

「うぐっ… !?」

「断れば…死です」


態度が急変したハルピュイアに更に混乱するコピーエックス。
その扱いはオリジナルとはまるで異なる。

「はっ  はな  し て」


こともあろうにハルピュイアはそのままコピーエックスを放り投げた。

「うぁっ!!」

受け身も取れず床に転がるコピーエックスの元へ静かに歩み寄るハルピュイア。

「一瞬 期待してしまった自分が愚かだ」


上半身を起こし見上げると、ハルピュイアが冷ややかな眼差しでこちらを見ていた。

「オマエは所詮ただのコピーに過ぎん。表でエックス様のフリが上手く出来たらそれでいい」

睨み付けられ恐怖で返事が出来ないコピーエックスを見て、ハルピュイアは満足そうに微笑んだ。



ハルピュイアの異常なまでのオリジナルエックスへの愛が、彼をさらに苦しめる事になる。


2へ続く


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最終更新日 2015年2月25日
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